「腹診にて胃土から臍・下腹部を中心に落込み、
手で上下に引っ張らないと
臍を診ることが出来ず、
ただ裏には岩のような硬い邪が診られる
主訴が腰痛の
ご高齢女性を診ています。
お仕事は現役でされており、
よくお話はしますしお元気にみえますが、
初診でこのお腹の反応を診た時に、
内心 マズイなという感覚になりました。
(脈は洪弦細脈で按じるとつぶれる。)
脾腎両虚、陰分の虚損がきつくあり、
虚により邪が停滞し瘀血を形成しているのでは
と診て治療を行っており、
腰痛はほとんど出なくなってはいますが、
お腹の反応を診ていると油断はできません。
よく水曜勉強会でも言うのですが、
経穴の反応ばかりにとらわれていると
病がどこの位置にあるのか、
臓腑はどこまで弱っているのかを把握できず、
真の治療が出来なくなってしまいます。
この方の御体を通して、
腹診の重要性を再度 認識させて頂き、
四診の大切さを実感しました。」