本多です。
反関脈とは橈骨動脈の位置が
通常とは異なる部位に触れることをいいます。
『中医基本用語辞典』:東洋学術出版社には、
「生理的に特異な脈位を指す。
橈骨動脈の解剖的位置の変位による。
橈骨動脈が手関節の背側にめぐっており、
切脈する位置は寸口部の背側となり
この部位で拍動を触れることができ、
寸口部では拍動を触れることができない。
このような特異な脈を反関脈という。」
とあります。
また古典には
〈原文〉
「脈不行于寸口、由列缺絡入臂後、手陽明大腸經也。
以其不正行于關上、故曰反關。必反其手而診之、乃可見也。」
〈和訳〉
「脈寸口を行かず、列缺より臂(肘)後に絡入する、手の陽明大腸経なり。
其の正しく関上に行かざるをもっての故に反関という。
必ず其の手を反してこれを診れば乃ちあらわれるなり。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・〜『診家正眼(しんかせいがん)』 李中梓(りちゅうし)編纂
以上のような記載がみられます。
上に記載した内容もそうですが、
反関脈に対して、
私が調べた中には
何故そうなるのか?
という原因が記載されておらず、
「生理的な脈」とか、「病脈ではない」
などの説明しかされておりませんでした。
本当に生理的なものなのか、
病脈ではないのか
年を重ねる過程で反関脈となることはないのか など
様々な疑問を感じました。
というのも、
身内で反関脈をもつ者がおりまして
診察する中で感じた事を、
あくまで想像でしかないのですが
記載します。
手太陰肺経を流れる脈を基に、
表裏の手陽明大腸経との関係があるのではないか。
と考えました。
具体的には、
大腸経の経脈が弱ることで、
表裏である肺経の経脈に位置する
橈骨動脈が肺・大腸間の脈力のバランスをとろうと
引き寄せられるのではないか。
私が診ている者は
幼少期に虫垂炎の悪化で腹膜炎を発症させ
大腸を取り出し洗浄した経験があり、
そのことから下腹部を約10㎝ほど切っております。
切経の反応では右側の大腸経の虚、特に合谷に深い虚があり、
その合谷の約一寸ほど手関節側に脈の浮きが診られます。
脈の浮きに関して腎虚が顕著になると
太谿に位置する後脛骨動脈の浮きが出ることと
同じなのかなと感じました。
以上のことから
”大腸経の弱りが反関脈に関わりがあるのでは?”
と仮説と立ててみました。
今後も追って検証します。
本多
反関ね。
その際の陽谿穴の反応など。。
また、
太谿の拍動の際、
時に照海付近に浮いて
拍動してくるものもある。
往々にして、その段階の腎気の損傷では
然谷から照海、その上にかけて
腎経を中心に細絡を見るので、
これも面白い。
よくよく観察してみて下さい。
観の字、一字
大きく俯瞰すれば見えてくる景色があります。
多くの発見があります。
楽しんで下さい。
学びを楽しむこと。
忘れずに色んな事を吸収していきます。
ありがとうございます。